自然の中で過ごすことの健康効果
人々は外で走る代わりにルームランナーを使い、子供たちはアウトドアスポーツよりもビデオゲームを選ぶようになり、私たちは自然と一緒に過ごす時間が少なくなってきています。テクノロジーは便利ですが、自然の中で過ごす時間に勝るものはないと専門家は考えています。
実際、最近の研究では、公園を散歩することでさまざまな健康効果が得られる可能性があることが示されています。ここでは、意外と知られていない効果をいくつかご紹介します。
ストレス解消
私たちが暮らす世界は、競争が激しく、スピードが速く、チャレンジングです。それゆえ、ストレスはほとんどの人が一度は経験したことがあるものです。
自然の中で過ごすと、ストレスホルモンであるコルチゾールが減少し、心拍数が下がるという研究結果があります。ですから、定期的に自然の中を散歩したり、庭や森を見渡せる窓際に座ったりすることを心がけましょう。
脳をシャープにする
試験を控えているなら、休憩時間に外に出たり、裏庭で勉強したりすると、試験に合格するのに必要なことができるかもしれません。自然の中で過ごすと、天候に関係なく、記憶力が大幅に向上するという研究結果が出ています。
さらに、自然の中にいると、複雑な認知機能に使われる前頭前野が緩和され、集中力と創造性が高まると考えられています。ですから、脳を酷使したと感じることがあれば、屋外を散歩してみましょう。
免疫力を高める
自然の中で過ごすと、免疫機能が向上することが研究で示されています。これは、副交感神経系(唾液分泌、流涙、排尿、消化、排便をコントロールする)に良い影響を与え、それが免疫系に影響を与えるためと考えられています。
また、自然界のフィトンチッド(植物が放出する物質)に触れることで、感染症と戦う白血球のレベルが上昇するという研究結果もあります。ですから、インフルエンザによくかかる人は、運動したり、定期的に屋外を散歩したりするとよいでしょう。ただし、季節性アレルギーをお持ちの方は、秋の外出は控えましょう。
気分の改善
最近、気分が落ち込んでいる人は、屋外に出かけてみましょう。研究によると、森林浴は不安や悪い気分を軽減し、うつ病の代替療法になる可能性もあるそうです。
さらに、自然の中に身を置くと、反芻が減り、自尊心が向上するそうです。その理由のひとつは、自然の中で過ごすと、脳の前頭前野の活動が活発になることです。この前頭前野は、うつ病や不安神経症と関係がある領域です。ですから、今週は特に気分が乗らないという人は、公園を散歩してみてはいかがでしょうか。
視力の保護
子どもの場合、屋外で過ごすことで視力が向上する可能性があります。野外活動をしている子どもは、近視や近視になるリスクが低いという研究結果もあります。ですから、お子さまにもっと屋外に出るように勧めるとよいでしょう。
血圧を下げる
高血圧でお悩みの方は、自然の中で過ごす時間を治療計画に加えてみてはいかがでしょうか。自然の中で木々を眺めると、血圧が下がるという研究結果が出ています。
また、公園を歩くと、心拍数や交感神経の活動(高血圧と関係がある)を低下させることができます。長時間、屋外で座っている時間がない場合は、屋外でエクササイズやストレッチを行いましょう。
エネルギーを高める
理由もなく気分が落ち込んだり、疲れたりしたときは、屋外で過ごすことが助けになるかもしれないと研究者は考えています。自然の中で過ごすと、エネルギー、活力、幸福感が高まります。
実際、屋外での簡単なハイキングは、あなたがより「生きている」ことを実感させてくれるかもしれません。このような自然の活力効果は、運動や社会的な交流の効果を上回ると考えられています。ですから、より多くのエネルギーを得るために、外に出ることをお勧めします。
睡眠を改善する
私たちの多くは、人生のどこかで睡眠に関する悩みを抱えたことがあります。最近の研究では、屋外で過ごす時間を増やすと、特に男性や65歳以上の人の睡眠の質を向上させることができるとされています。
また、緑の多い場所に住んでいる人は、運動量が多く、その結果、睡眠パターンも良好であることが分かっています。ですから、もっと外に出るようにしましょう。
自然がもたらす多くの健康効果を考えれば、もっと頻繁に屋外に出ない手はありません。毎週末にキャンプをしたり、1日おきに公園に行ったり、裏庭で庭仕事をしたりして、自然の中で過ごす習慣を身につけるとよいでしょう。